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あれから何ヶ月経ったんだろうか。
もう外は雪が降り始める季節になっている。
彼女に関しての情報はゼロ。
何の連絡もない。
部屋の窓を開ける。
冷たい風が俺の体を震わす。
~♪~~♪~
ポケットの中で震える携帯。
画面を開くと知らない番号。
気は乗らなかったが勇気を出して通話ボタンを押す。
「………もしもし??」
『………』
相手からは反応がない。
「…どちら様ですか?」
『……私…』
どくんっと心臓が鳴る。
懐かしい声
愛しい声。
「お前…っ」
言いたい事はたくさんあった。
話したい事も聞きたい事も
山ほどあったんだ。
今まで何してた?とか、
たくさんたくさん。
でもな?
「……元気、か…?」
『…うん…』
「体…平気か…?」
『…平気…』
ただ彼女の体が心配で…
元気だと聞いた俺は緊張がとけて、涙となって目からこぼれ落ちた。
『…ね…ぇ、…』
彼女は力なく声をかけてきた。
「ん…」
鼻をすすりながら聞き返す。
『いまから逢えるかな?』
思わぬ展開に俺は嬉しくて即答でOKした。
場所は、彼女が入院した病院の近くにある、少し高い位置にある公園だった。
結構距離はあったけど、そんなの気にしなかった。
ただキミに逢いたくて、逢いたくて…
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