*約束*

2/4
前へ
/19ページ
次へ
あれから何ヶ月経ったんだろうか。 もう外は雪が降り始める季節になっている。 彼女に関しての情報はゼロ。 何の連絡もない。 部屋の窓を開ける。 冷たい風が俺の体を震わす。 ~♪~~♪~ ポケットの中で震える携帯。 画面を開くと知らない番号。 気は乗らなかったが勇気を出して通話ボタンを押す。 「………もしもし??」 『………』 相手からは反応がない。 「…どちら様ですか?」 『……私…』 どくんっと心臓が鳴る。 懐かしい声 愛しい声。 「お前…っ」 言いたい事はたくさんあった。 話したい事も聞きたい事も 山ほどあったんだ。 今まで何してた?とか、 たくさんたくさん。 でもな? 「……元気、か…?」 『…うん…』 「体…平気か…?」 『…平気…』 ただ彼女の体が心配で… 元気だと聞いた俺は緊張がとけて、涙となって目からこぼれ落ちた。 『…ね…ぇ、…』 彼女は力なく声をかけてきた。 「ん…」 鼻をすすりながら聞き返す。 『いまから逢えるかな?』 思わぬ展開に俺は嬉しくて即答でOKした。 場所は、彼女が入院した病院の近くにある、少し高い位置にある公園だった。 結構距離はあったけど、そんなの気にしなかった。 ただキミに逢いたくて、逢いたくて…  
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加