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電車に乗って15分。徒歩8分の所に会長がある市民体育館がある。
玄関に靴を脱ぎシューズケースに入れる。試合をする体育館会場の大きな扉の前に対戦表が貼ってあった。目で名前を探す。
「やーしま・・・」
「あった!」
それを見るなり一階の応援席へ走った。
脳腫瘍のため上手く歩けないし走れない。
自分の高校を探した。
「秋良ちゃん♥」
後ろで名前を呼ばれた。
「安曇さん?」
安曇さんは高校女子の先輩だ。
「八嶋なら向こうの一番端っこで試合してるよ。」
「あっありがとうございます・・・!」
「いえいえ。」
秋良は向こうの端っこまで行き八嶋を探した。
「秋良ぁ~!」
大きく手を振ってくれる人物がいた。
「天ちゃん!」
寺島天聖が秋良を観客席に座らした。
まだラケットもない状態で待っていた。
「久しぶり。」
ニコニコ笑いながら手を出した。秋良は急いでラケットを取り出す。
試合開始。
秋良は小さな範囲で動き回る球を目で追い続ける。
初めて八嶋がかっこ良く見えた気がした。
「いっぱい練習したんだろうなぁ。」
「あたりめぇだろ。夜も1人で練習してたぞ。」
こんなに卓球出来て羨ましいなと言う思いとちょっとずるいなと思っていた。
でも今そんな事思っちゃいけない。来たからには応援しなきゃ・・・・・
「いっ・・・」
激痛が頭を襲う。
吐き気もしてきた。
「いたぃっいっ・・・」
涙が出てくる。
「大丈夫か!?秋!?おい秋??病院だ病院!!!!!」
試合の最中に八嶋が中に入ってくる。
「秋良!!!」
気付いたら病院にいた。
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