いつもの学校

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格技室に行ってカバンを下ろしてラケットをケースから出した。 「あっ・・・」 ラケットを落とした。 「あれ?」 手が震える。掴めない。 痙攣しているみたいに痺れていた。 「お願いしますぃ~!」 元気よく八嶋が入ってきた。 「どうした?秋良?」 「・・・・なんでもない」右手を押さえて苦笑いした。大丈夫だよ。自分に言い聞かせ落ち着いた。 「秋良。寺島遅れて来るらしいから打つの付き合ってくれん?」 「・・・いいよ。」 そっとラケットを握った。持てた。秋良は元気そうに笑った。 しばらくたって他の部員達が次々と格技室に入ってきた。「じゃな秋良。」 寺島が秋良の頭を軽く叩く。「じゃね?」 そういって彼女は座っている友達の所に駆けていった。
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