初期発作

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晴れた暑い7月の土曜日。朝7時に水色のエナメルカバンを背負って家を出た。今日は小さな市内の体育館で練習する。甲舞高校の近くにあって卓球等の高体連や中体連の会場として使われている。 体育館の玄関に入るなり4人の男子の同級生と3人の先輩とその先輩の兄弟と思える2人の中学生がいた。「やっと来たか・・」 「早くない?なんか・・」「お前が遅いんだゎ。 」八嶋はそういってニコニコ笑った。 中学生2人は女の子だった。 下に履いてる長いジャージを脱いでエナメルの中からケースを出す。 手が滑ったのか捕り損ねた。 「秋良さんも早く行こ?」中学生が近づいてきた。 「う、うん。」 大事そうにラケットを抱え卓球台の前に立った。 「打つぞ。お願いします。」 八嶋の友達、寺島は弾みよくサービスを出してくる。それを返す。ラリー百本してから練習が始まるんだ。
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