第4章『とまどいの遠距離』

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それから とても長い時間が過ぎた。 「しばらくこっちの親戚の家にお世話になってるの。夏休みが終わる頃には,向こうに帰っちゃうから・・・。あっ!ジャージ貸してくれて ありがとね。」 彩乃は そう言い残してツバサの部屋を後にし,帰っていった。 家まで送ってあげたいとも思った。 だが,身体が動かなかったのだ。 それから2,3日ツバサは,試合の疲れから部屋にこもりがちになり,自分の事を責め続けていた。 だが,ジッとしている事が性に合わないツバサは,外にブラブラと出かけることも多くなった。 だが,その先々で彩乃と会うことはなかった。 家などにも連絡は一切なかった。 これが,彩乃との別れなのかもしれないと,ツバサは感じていた。 彩乃が沖縄へと帰る日さえ何も連絡がなかった。 ゛キーンコーンカーンコーン ゛ 長かった夏休みも終わり,秋の涼しい風の中 学校が始まった。 今となっては 夏の暑さなど,どこにもない。 彩乃がいた夏が終わりを告げたのだった。 ゛永遠゛を信じていたが,学校のチャイムによって粉々に崩れ散った。        
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