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それからのツバサは,目標を見つけ,希望に満ちていた。
部活以外にも足腰を鍛えるために,毎日走り込みをするようになった。
ある日の晩,家の近くの公園で休んでいると
「ツバサ君!?」
そこにいたのは,髪の毛を切った彩乃がいた。
『安田か。髪の毛きったんだな。』
「うん。」
彩乃は照れながらも満面の笑顔でうなずく。
『あっ。俺,新人戦にでるんだ。それに勝てたら安田に言いたいことがあるんだ!』
その力強いツバサの声に彩乃は驚きながらも,喜んでいた。
「うん。」
また満面の笑顔でうなずく。
『そろそろ,走り込み始めるからじゃあな。
あっ。風邪ひかないうちに早く帰れよ。』
ツバサはそう言って夜の闇へと消えていった。
それから,一ヵ月あまりが過ぎた。
夏の大会は惜しくも敗れ,三年の先輩たちは引退した。
そして,また一ヶ月後にはツバサたちの新人戦が控えていた。
ツバサは,みるみるうちにピッチャーとして成長していった。
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