第1章『彼女からの告白』

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゛ピュッ…゛ ゛パーン!゛ 「ストラーイク!」 新人である一年生の実力をみるための,紅白戦が行われた。 ツバサの球は二年生を相手にしても十分通用していた。 「ツバサ。今日もお疲れ~。」 ツバサの相棒である大樹が近寄りながら言った。 『おう。大樹もな。』 「お前の球なら関東大会だって夢じゃないよ。」 大樹もまた自信に満ちていた。 『けど,油断はできないよ。』 そお言いつつも,ツバサもまた自信に満ちあふれていた。 そのツバサの姿は彩乃もこっそりと窓から見ていた。 夜は鈴虫が鳴くくらい涼しくなった。 ツバサはそれでも,日課となった走り込みをしていた。 『明日は,いよいよ新人戦か。』 高ぶる闘志を押さえながら家へと帰る途中,彩乃の姿があった。 「よかったぁ。ツバサ君に会えて。」 息を切らしながら言った。 「これ,私が作ったお守りなんだけど…よかとたら,もらって。」 息を整えながらお守りをツバサの前へとさし出す。 ツバサは嬉しそうにお守りを受け取ると, 『ありがとな。 安田,走って来たのか?』 彩乃を気遣いながらも,お守りを眺めている。
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