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゛カキーン゛
゛ドスッ!゛
ボールはツバサの利き腕である右肩へと直撃し,ツバサの前にボールが転がった。
とっさに,グローブをとり左手で一塁へと投げた。
ツバサは判定の前に倒れてしまった。
次に,目を開けたのは救急車で運ばれる前だった。
暗い闇の中で彩乃が話しかけて来る。
しかし,ツバサはその声を聞くことができない。
゛バサッ゛
ツバサは飛び起きた。それと同時に激しい痛みが右腕に走った。
『うぅっ。』
声にもならない悲鳴が一室に響いた。
見渡すとそこは病院の一室だった。
枕元にはトロフィーが置いてあった。
それを見た瞬間,ツバサは勝ったんだと,そこで初めて知った。
そして安心したかのように,また深い眠りへと入っていった。
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