第1章『彼女からの告白』

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゛カキーン゛ ゛ドスッ!゛ ボールはツバサの利き腕である右肩へと直撃し,ツバサの前にボールが転がった。 とっさに,グローブをとり左手で一塁へと投げた。 ツバサは判定の前に倒れてしまった。 次に,目を開けたのは救急車で運ばれる前だった。 暗い闇の中で彩乃が話しかけて来る。 しかし,ツバサはその声を聞くことができない。 ゛バサッ゛ ツバサは飛び起きた。それと同時に激しい痛みが右腕に走った。 『うぅっ。』 声にもならない悲鳴が一室に響いた。 見渡すとそこは病院の一室だった。 枕元にはトロフィーが置いてあった。 それを見た瞬間,ツバサは勝ったんだと,そこで初めて知った。 そして安心したかのように,また深い眠りへと入っていった。
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