プロローグ

2/7
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
透き通った夜空に浮かぶ、星々の輝き。 その無数の星を見上げる、黒髪の少年がいた。 --少年はだだっ広い草原で考えていた。自分は何の為に生まれたのかを…… 人の強い生命力・精神力を源に、世界中に溢れる精霊の力を借りる[精霊術]。 新世紀に入り、人々が新しく手に入れた力を、誰もが扱う事の出来た力を、少年は全く使えなかったからだ。 自分には何故使えないのか? みんな当たり前の様に使っているのに。 少年はその黒色の瞳に溢れる涙を溜め、鼻をすする。 見上げていた星は、いつの間にか滲んでいた。 いくら考えても答えの出ない問いに、いつしか少年は考えるのを止め、草原に寝そべる。   
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!