虚偽

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「ああ、そうだ。ツアイス。今日は、4月25日だったね」 ツアイスの話しを遮り、急に話しを始めるルク。 「何を言って」 「今日はね? 君の命日だよ」 ツアイスに倒れかかるルク。 肉を裂くような生々しい音、床に倒れる二人。 ルクが立ち上がると、そこには胸にナイフを刺された、ツアイスの姿。 ドアに手をかけ部屋を出ようとするルク。 だがかけられた手は、ドアを開けることはなかった。 ルクの腹部から飛び出したナイフの切っ先。 ルクが後ろを振り向くと、そこにはツアイスの姿が。 「もう終わりにしよう。ルク……様」 「く、そっ……」 床に倒れ込み、もがくルク。 そのうえに覆いかぶさるように倒れ込むツアイス。 二人は、重なり合い、息絶えた。 ――。 「あーあ、ゲームオーバーだよ」 「どんまい! そのゲーム難しいよな。選択肢間違えると死んじゃうもんな!」 「うん……やっぱもっと楽しいやつにしよ!」 「そうだよ! こんどはこれやろうぜ!」 今の時代。 ほとんどの人々が体験したことのあるゲーム。 ゲームをやっている貴方。 貴方の今現在、これからやろうとしていること。 自分が全て決めたと言い切れますか?なんであの時、ああしてしまったのだろう。なんであの時、ああしなかったのだろうと、後悔したことありますよね? もしかしたら貴方は、幾千もあるゲームの中のキャラクターで、誰かに、選択肢を決められているのかもしれませんよ? 私たちが作り出したゲームと言うものは夢幻の世界ですが、それが今私たちが生きている世界ではない、と言い切れますか? 私たちは宇宙という世界の中で生きている キャラクターなのかもしれませんよ? ほら、貴方もあるでしょう? やり直しがきくからゲームなんだと、思ったこと。 私たちをプレイしている人もそう思っているかもしれませんよ。 魔がさした。なんてよく言いますが、それも選択ミスの一つなのでないでしょうか。 そしていつ何処でどうやって死ぬか。 もう決まっていたら 貴方はどうしますか? 運命に逆らい、生き長らえようと必死に努力しますか? 運命には逆らえない、と諦めますか? それは貴方の自由です。 しかし、これだけは忘れないで下さい。 努力し、得た結果よりもそれに望んだ過程が大事なのだということを。 夢幻だと諦めずに取り組むことの大切さを。
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