5396人が本棚に入れています
本棚に追加
/290ページ
フェイアは広間の入り口で魔術師に待っててもらうと、中へと入りエリアスのそばへ行った。
人々の視線がフェイアに集まる。
フェイアはエリアスの隣へ行くと、ゆっくりと口を開いた。
「父様……魔術師が来ました。もうここへ入れますか?」
周りは魔術師という言葉を聞くとしんと静まり返る。
「そうだな。あまり待たせては悪い。中へ招いてくれ」
エリアスの声が静かな広間に響く。
「分かりました」
そう言うとフェイアは扉へと向かった。
扉を開け、魔術師を中へと促す。
フードを被ったままの魔術師が広間へ入ると空気が一気に変わったような気がした。
フェイアは静かに扉を閉め、エリアスの隣の席へと魔術師を案内する。
そしてそのまま魔術師の席の少し後ろにある席に座った。
魔術師がエリアスの隣に行くとエリアスは立ち上がり、深く礼をした。
「今日はわざわざこの遠き城まで訪ねてくれて感謝する」
魔術師もエリアスに一礼し、周りにいる人達にも礼した。
人々も魔術師に礼をかえす。
エリアスは皆のほうに向き直ると、魔術師の肩に手を乗せた。
「では皆に紹介しよう。この方の名はファリスト・セルシオ。私の古い友人であり、マスターの称号を持つ魔術師だ」
最初のコメントを投稿しよう!