〔恐怖の味噌汁〕

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 俺が足の爪にヒビが割れている事に気付いたのはつい最近。  放課後の部活動に無理をしてでも精を出していたのが祟ったらしい。  だが俺は、そんな小さなことに構ってはいられないのだ。何故なら俺は今サッカーの試合中だったからな!  目前に駆け込んでくるデブを軽くかわし、その後ろで無謀にも俺のスキを窺ってる眼鏡を反則ギリギリで体当たり。  そのちょっとした反動で素早くマーク共から距離を取る。  今日も俺は絶好調だ。  勉学なんて運動が出来る俺には無論関係ない。  親も教師も友人も、誰一人として運動ができる事に不満なんて感じるわけがない。勉強なんて運動一筋の俺には無価値という訳さ。  三学年の夏休みの時点で、既に推薦高校も決まったのは勿論運動ができるせい。全ては俺が日々磨いてきたスポーツセンスのお蔭だ。  うん、明日も俺は絶好調だ。
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