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病気と小さい時から闘って、弱音も言わず、笑顔で耐えていた妹。
それでも良くならない体に、きっと失望してきたんだと思う。
だから、今日あんな事を言ったんだ。
何も言えなくなった俺に、「冗談だよ!」といつもの笑顔で言ってくれた。
何か言葉を掛けようとしたが、面会終了のチャイムが聞こえて、その日は帰らざるを得なかった。
バス停まで歩きながら、明日外出許可を先生に頼もうと、心の中で誓った。
外に出れば、少しは気分が軽くなるだろう。
そして、今まで話せなかった治療の悩みなんか聞いてやろう。
いいアドバイスなんか出来ないけど、聞いてあげるだけでも何か違うと思う。
兄として、妹の支えに少しでもなりたい。
そう考えながら丁度来たバスに乗り込んだ。
だけど、その計画も朝になったら消え去ってしまった。
その日の夜、妹が窓から羽ばたいた。
(彼女は本当に鳥になってしまったんだ!)
END
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