気づけばあなたを追っていた

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教室の窓側、私の放課後の特等席だ。 夕暮れ空と高台にある学校から見える街並みが、一枚の写真みたいに一体化して綺麗でお気に入り。 でも、理由はそれだけではない。 もう一つは… 「まい!あんたさ、まーたグランド見てるの?」 「ふぇ!?」 後ろから突然の大きな声に、我ながら情けない声を出してしまった。 ばっと後ろを振り向くと、親友の亜沙美がニヤニヤした表情で私を見ていた。 「別に、グランドなんか見てないよ」 ため息混じりに答えると、亜沙美は「うっそだ!」と前の席に座った。 「だって、今サッカー部練習中じゃん」 ほらっと指されてその方角に目をやれば、グランドで走り回るサッカー部員の走る姿が飛び込んでくる。 「ほら!あそこにあんたの気になってる人!」 身を乗りだしながら、私に知らせるように言った亜沙美が指すその先に、夕日に照らされている高田先生が目に映る。
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