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真っ赤になっていく注射器を、名残惜しむように引き抜き、それを君の目の前へ。
虚ろだった目が恐怖と絶望の色に変わる。
少し身を捩りながら逃げようとする君の腕を捕まえて、まだ温かい僕の血液を挿入した。
全てを入れて、君から注射器を抜いて、深い深いキスをする。
唇を離した瞬間に、君の体が暫くビクビクと反応して、ぱたりと動かなくなった。
僕はその姿に満足して、手錠を外し君を抱き上げキスをした。
君の唇からは死の味がした。
(あぁ、ようやく一つになれたね!)
END
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