第一章 桜舞う満月の夜

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沖田は悲鳴が聞こえた方へ向かっていた。 〈あの悲鳴はただ事ではありませんね……〉 急がなければと、沖田はさらに走るスピードを上げた。 やがて風に乗って漂ってくる微かな血の臭い。 沖田はその臭いに微かに顔をしかめる。 そして、目の前には大通りに出る道。 この道を行けば、松原通りという広い道に出る。 ここまで分かれ道はなかった。 そして沖田は真っ直ぐに進んで、松原通りに出る。 平日なら大勢の人が行き交う通り、しかし日が沈んだ今は人通りはなく静かで不気味だった。 血の臭いが濃くなっている……。 この辺だと判断した沖田は立ち止まり、辺りを見渡した。 そして、沖田はあるモノを発見する。 血塗れでうつ伏せに倒れている三人の人……。 土の地面に大量の血が染み込んでいて、夜でもわかるほどその血に濡れた土の部分は黒く染まっていた。 そして、倒れている人たちは、全員刀を握り締めていたが、一目で死んでいるとわかった。 それは、二人は首と胴体が斬り離されていて、三人目は少し離れた場所に倒れていて、心臓がある部分に刀が刺さっていたのだから……… *
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