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【園・後半】
それをみて、少女が再び、きっ、とマスターを睨む。
「ほらほらー!彼女はどうなんですか!?女じゃないですか!」
「いや・・・彼女はその・・・別格というか」
少女はカウンターにのっていたグラスを手に取ると、
中身を全て手にかけ、
スッと、
誰もいないほうに手を向け、
勢いよく開く。
ヒュッ
無数の氷の刃となったグラスの中身が、
奥の扉に刺さる。
「別格?」
少女はにこりと笑った。
女は『ヒュウ』と口笛で囃す。
マスターは今日何度目かわからないため息を吐き、
奥を指差した。
と同時に、ギイと音を立てて扉が開く。
「マスター、どうかし・・・」
少年が顔を覗かせ、
不意に違和感を感じて、
表に回り扉を見る。
「うええっ!?何コレ!すっげえ!!!やべ!超カッコイイ!!!」
そう言った後、
少年は、はっと言葉を止めると、
コホンと咳払いをした。
「・・・じゃなくて、ご主人、何かあったのですか。」
今更な訂正に二人は呆れ、一人は大声で笑った。
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