異常人間、現る

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夢を見た。 それが良い夢だったか、悪い夢だったかは覚えてないけど、起きる瞬間に死んでしまった夢な気がする。 いや、死んだから、起きたのかもしれない。 本当に良く分からない内に死んでしまったし、死因とかも覚えてないけれど、夢だから、あまり気にしないでおこう。 そんな夢、誰だって見るだろうし。 僕は手早く着替えを済ませると、一階に降りてリビングに向かった。 父さんが新聞を見ながらテレビに耳を傾けている。 母さんは鼻歌を口ずさみながら、朝食の準備をしていた。 「おはよう」 「あら、おはよう」 「ああ、おはよう」 と、それぞれの作業を止めることなく、母さんと父さんが朝の挨拶に応えた。 僕は椅子に座って、テレビの方に首を動かす。 朝のニュースがやっていた。 別に興味はないけれど、特にやる事もない時には、ニュースでも何でも見るようにしてる。 知って損する情報が入る訳でもないし。 「――次のニュースです。昨日、」 「え」 テレビの画面が切り替わり、次の映像が映った時、僕は正直かなり驚いた。 その場所は僕の通う学校の通学路。 電柱がポッキリ折れていたのだ。 僕はその光景を、つい最近にも見た気がする。
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