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なぜかイライラが収まらない俺はそのまま楽屋の外にある
自販機に向かった
バンッ
乱暴にボタンを押して
コーヒーを取り出そうとしゃがむと
ふ、と視界に影が落ちた
すく後ろに感じる人の気配に振り返ると
『…おい、藤原
俺にもなんかおごれや』
「……井本」
なんでやねん
なんで
なんで…
お前は井上と楽しくおしゃべりしとけばええやんか
なんでわざわざ追いかけてくんねん
「…いやじゃボケ」
井本の顔を見ないまま
ゆっくりと立ち上がる
『何やねんお前
なんか怒ってんか?』
何やねんは俺のセリフじゃ!
そのまま俺は井本を無視して歩き出した
『チッ』
後ろから聞こえる舌打ち
舌打ちしたいのは俺の方やっちゅうねん…
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