何で??

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ダルい体を起こしてしゃあなしに扉を開けた 「……えっ」 『…よぉ』 なんで?? なんでお前が… 『なぁ… 俺なんかしたか? お前なんかずっと機嫌悪かったやん』 なんで なんで来んねん なぁ? とりあえず家に上げろ、と言い張るそいつをしぶしぶ部屋へと案内する 「……井本 なんで来たん」 『そりゃ、あんな空気のままじゃ、さぁ 今後の仕事にも響くし… それにお前が機嫌悪いとか 滅多にないし 俺がなんかしたんかと思って』 お前… こんな時だけ優しすぎるやろ いつもみたいに俺を怒鳴れや なんでそんな心配そうな顔しとんねん 俺は… 俺は… 「…いの」 腕が勝手に動いて 井本を引き寄せた チュッ 唇に触れた柔らかい感覚にハッとする あれ?俺何してんの? なんで井本にキスしてんの? 酔ってるから? …そういう事にさせて 『…ちょっ!ふじっ!』 嫌がる井本を押さえ付けてキスする 俺、酔ってんねん だから今日だけ許せ 明日には忘れるから もうイライラなんてせぇへんから 俺は気付いてしまった 俺が井上としゃべる井本を見てイライラしたんは 嫉妬 井上に嫉妬した 井本が好きやから―― .
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