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「Re:setの、本部?」
「あ、ソレ良いね!さ、洋一くん。俺と一緒に本部に行こう!」
「わッ!ちょッ!」
森泉に腕を捕まれ洋一は無理矢理立たせられると、彼は自分のバッグをわし掴み洋一と共に部屋を出た。
「あの、森泉さん。ホントにRe:setの本部って
「ここではそんな話は厳禁。黙って俺について来て」
今にも冷たい雨が降り出しそうな薄暗い灰色の曇り空。
多くの人が行き交う東京の交差点で、洋一は森泉に後をついて歩いていた。
何故Re:setの話を此処でしちゃイケナイんだ?Re:setってホントに極秘の存在なのか?
洋一は黙って考えたまま歩いていると、森泉は急に洋一の手を掴み少し歩くスピードを変えた。
「うわっ!ちょ、いきなり何ですか?!」
「何って、もう近くだから」
「え?まさか
「それ以上は喋っちゃダメだ」
森泉は後ろにいる洋一を見てニカリと笑うと、早足で大きな通りに面したとあるビルの中に入り洋一と共にエレベーターへと乗り込み5階のボタンを押した。
此処なら、Re:setの事を話しても大丈夫な筈だ。森泉さんと二人きりのこの空間なら。
じっとエレベーターの表示を眺める森泉の背中を見ながら洋一は思うと、少し声のトーンを落とし彼に問い掛けた。
「森泉さん。もうアレについて話しても良いですよね?」
「うん」
「人が行き交う通りで話すのがマズイってことなら、ホントにRe:setの本部はあるっていう事ですよね?」
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