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『ジリリリリリリ―…』
「ああ、もううるさい・・・」
さっきまで寝相の良い私は、普通に布団から顔を出して寝ていたが、その音を聞くなり布団に潜って目覚まし時計の音から逃げようとした。
『ジリリリリリリ―…』
それでもやっぱり、この小さな抵抗はこの音相手には意味がない。
「・・・・・・・・・はあ。」
諦めた私はゆっくりと布団から手を出し、目指し時計のスイッチを押した。
『ガチャンッ』
「ああ、また来ちゃったよ 朝…」
《あなたが一番嫌いなものは何ですか?》
それを聞かれたら私は迷わず
「目覚まし時計」と答えるだろう。
理由は簡単、
朝が来るのが嫌いだから。
朝が来るのは、どうしようもないことだから諦めているけれど
現実の世界から睡眠という世界に逃げているときに、いちいち朝が来たことを教えるこの目覚まし時計が本当にうざったい。
でも本当はこれほどまでに大嫌いな目覚まし時計を、現実の世界が嫌なくせに毎晩忘れずにセットし続ける自分が一番大嫌い。
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