《序章・ある少女の受難》

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…重い杉の引き戸を開けると、そこは納屋でした。私達子供にとってもかくれんぼで馴染みの場所です。 「灯りを点けておくれ。」 ランプに火が入り納屋の中が明るくなります。そして、明るくなった土間の地面にちらっと見えたのは一升瓶、ちらっと見えただけでも五、六本はあったようです。昨日遊んだ時にはそんなものはありませんでした。 「さ、早いとこやってしまおう…あれを持っておいで。」 お祖母さまは二人のお伯母さまにお命じになります…
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