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佐尾 俊二(サオ シュンジ)
これが今回のターゲットらしい。
佐尾の紹介の下に、顔写真が張ってあった。
短髪の金髪を上に立たせ、釣り上がった細く鋭い目に、高い鼻にピアスを付けている。
目の周りには入れ墨の様に炎の様なペイントが入っていた。
「随分目立つ奴だな…。
これなら直ぐにでも見付けられそうだ」
「大体解った?
決行は何時頃にするの?」
クリアファイルには主な活動時間として22時頃から都心のゲームセンター、[アメーバ]に出没すると書かれている。
ならば、
「21時頃からこのゲームセンターで待機する。
見付け次第こえを掛けるさ」
「そう。 気をつけなさいよ」
佳奈は書類を片付けながら、伶に見向きもせずに言った。
「ああ」
久しぶりに素手でやるか。
どれほど強いのか、少し楽しみだな。
写真に映る佐尾に、口元を緩めた。
その表情はとても冷たく、瞳からは何も感じられ無かった。
現実なんて見たく無いから、罪を重ねてその重さだけ背負えば良い。
自分の罪が重ければ、あんなものを思い出さなくて済むから…。
伶は、20時頃まで色々と情報を集めた後、現場へ向かった。
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