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正直、全部嘘だったらいいと願った。
自分は一体何者なのか。
あの分身が言う事は本当なのか。
考えれば考えるほど不安ばかり募ってしまう。
どうしたの?って聞くユミに答えなかったのは、ユミを信用してない訳じゃない。
あった事を話してしまうと自分自身が認めてしまって壊れそうだったから。
泣き続ける私にユミはそれ以上何も聞かず優しくなだめてくれた。
まるで母親が子供をあやす様に。
こんなに温かいのに、こんなに涙がでるのに私が作られた存在なんて事がある訳がない。
そう信じてやまなかった。
ユミの暖かさに触れて、いつの間にか私は深い眠りについていった。
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