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お兄様は私の所へ通い詰めてくれました 私のお世話する係の者を味方に付けて、お稽古やお友達と遊ぶ間に父上様に隠れて来て下さいました。 とても大変なことだったでしょう。 「萌黄! ああ、信じられない! 僕の話をよく聞いてくれ」 薄曇りで蔵の中は暗く、土間の冷たさに綿を入れた着物を掻き寄せて私は倍に膨らんでました。 10を目前に控え、大好きな人に見られるのが、恥ずかしかったと記憶してます 私達は身を寄せて触れ合う事が、何故か安心して抱擁や接吻などが当たり前となってました。 両極端な境遇に、別れた片割れを慰め合う行為だったと今なら思えます。 ひし。と抱きしめるお兄様の、ただならぬ様子を不思議に思いました 「紫苑君、落ち着いて? 私、紫苑君のお話なら、何時だって聞いてるじゃない。 何かあったの?」 私達はこの時まで、自分達が何なのか知りませんでした。 知っていれば、こんなに触れ合う事も無かったでしょう。 「僕の乳母から聞いたんだ。 女房と話してた! こっそり話してたから、悪戯してやろうと思ったのに!」 「紫苑君?」 とても興奮して顔を真っ赤にさせたお兄様。 初めて見る顔にびっくりしたの 「僕達が兄妹だって! しかも、賎しい獣腹の双子なんだって!」    え。 そんな!!!!
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