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蔵から出され、茫然としていた私。 このお部屋でされるがままに着飾られ、お稽古のスケジュールを言われても 戸惑いに嬉しいとも、悲しいともだせずに ただただ困惑してました。 「萌黄‥ 起きてますか?」 「‥お兄様」 お兄様はその日の内に、夜の闇夜に紛れて逢いに来て下さいました。 お兄様のお香の香りがとても安らげます 私はお兄様の腕の中に居ました。 「父上は萌黄にまた酷い事をしようとしてる! 私達の仲を引き裂くおつもりなのです 私には止められませんでした」 お兄様の腕の力が強くて痛くて‥ お兄様、泣いてる? 「萌黄を亡くなった親戚の姫君との忘れ形見として、君を貴婦人に仕立て上げて帝に差し出そうとしてるんだよ! 萌黄が女御になれば、父上は一気に階級が上がると帝とお約束なさったそうだ」 「女御は帝の妻になる事。 帝の元へ行けば、私と萌黄は逢えなくなるんだよ!」 お兄様 震えてらっしゃる‥? 私はお兄様の背中を撫でて、そしてKissを受け入れてました 切なさを含む愛おしい行為でした     
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