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父上様が私の部屋にいらしてから、とても忙しい日々となりました。 私は15となりますが、まだ裳着を済ませて無かったので とても大々的にお式をしました 上流階級の貴族のみな皆様から、贈り物が山のように届けられました。 中でも帝の贈り物は、数も質もどの贈り物よりも優れ、帝の覚えめでたき姫君よと、隣の男達の宴の席から歌が聞こえてきました 私は母上様や女房達に囲まれて、そのお話を上の空で聞いてました お兄様を感じられないのです 双子の不思議なのか、何時もなら側に感じるお兄様の気配が全く感じられませんでした。 明日はいよいよ興し入れです。 お兄様との位置に戸惑う気持ちも有りますが、とてもとても不安で出来ればお兄様の声を聞きたかったのです。 私は初めて不安に怯えました 蔵の生活に戻りたいと涙を流しました    
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