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最初の日々は、帝の妻達が住む内裏の説明や仕える者の挨拶、他の女御や一つ身分の低い典侍とのご挨拶に明け暮れました。
一通り終えると、とても暇なのです
お部屋を住み易く模様替えしたり、絵巻物を読んだり過ごしても、やがて飽きてしまうのです。
そっと誰にも気付かれない様に、文箱の奥底に隠した文を開きました。
興し入れの時に、お香の壷に忍び込まれたお兄様のお文です
私が賢くて恨めしいやら、寂しいやら。
出来るだけ実家に帰って来なさい
逢えるチャンスも有りましょう
小さな紙につらつらとよくぞ書いたと思うばかりの文でしたが、心細い私はそれも嬉しくて何度も読み返しました
帝とは、まだお会いしておりません。
ちょうど時期が悪く、お忙しいそうです
陰陽師が占った私の興し入れの吉日は、年内だとあの日しかなかったのです
私とお兄様の距離に不安を覚えた父上様のご決断に、逆らう訳には参りませんでした
女房達に囲まれても、寂しい日々を送ってました
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