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他の局ではどうだか分かりませんが、蘇芳様が此処、梅局にいらっしゃる時は私を膝枕にしてリラックスされてます たわいもないお話を楽しんで、気まぐれに愛し合い、 また、たわいもないお話を楽しんでは私を求め‥ 私から離れない一日を過ごされます。 子供みたいな、ありのままの蘇芳様を私にだけ、と言って見せて下さいました 「今日は都の外れの話を聞きたいな」 「はい お兄様に聞いた話ですが‥」 蘇芳様は御所の外のお話にとても興味がお有りで、私はお兄様から聞いた話を蘇芳様にして差し上げます。 「‥それは面白そうだ。 萌黄は沢山の事を知ってるから、楽しいよ 他の姫は、女房としか話さないから私とそう、世界は変わりなくてね‥ 臣下は下手な事を話すまいと、あまり外の話はしない 私は此処から出たこと無いからな‥憧れるんだよ」 また。まただわ‥ 寂しそうなお顔をなさるの。 どうしてかしら? 私は蔵から出られない生活を望んでるのに、蘇芳様は御所から出る生活を望んでいるの。 私達の何が違うのかしら? きっと蘇芳様も御所から出たら、私みたいに悲しくなるのに 私は心を込めて蘇芳様を見つめ、蘇芳様のお望みの話を探しました 蘇芳様が下さる深いくちづけに、双子だったらもう少し気持ちが分かってあげられるのにと 声を零して包まれました    
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