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光 あなたは私の光。 その輝きは 私に新しい感情をくれました 愛と言う名の輝きです その暖かさは 私に安らぎをくれました 微笑みを絶やすことなく 楽しく心を暖かくさせるのです でも、 その優しさは 優しさと愛を私にだけ注がれていると、私を皇后にしてくれるんだと、一縷(いちる)の望みを悪戯に持たせられた妻にとって 残酷な、 とても残酷な 裏切りのヤイバともなるのです あなたに逢うと、そんな凍った感情をも光と熱で溶けきってしまう。 だから言えない 寂しそうな笑顔に絆されてしまう そして あなたの後ろ姿で また、溶けた感情は凍ってしまうの。 ああ 悲しむ位 愛してる 嫉妬するほど 辛くなるのに‥ 誰も私から光を奪わないで 冷たい内裏を照らす光を‥‥‥ ああ、そうか 私を女御に出すお兄様も、こんな気持ちだったのね 蘇芳様を識って、やはりお兄様を男として見てなかった事を実感した 双子の不思議な縁(えにし)が引き寄せてただけ。 その親密さに勘違いなされたお兄様 私はお兄様をお兄様として、逢いたい 私達の共通を分かち合いたいの‥     
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