最終話

821/892
前へ
/1388ページ
次へ
[わゎ汗  奥さんごめんなさい! 私ったらはしゃぎすぎですよね… ご不快に思われたなら謝りますぅ…] 彰へのひと睨みを  自分への不満と感じたのか  石川は一応小さく頭を下げる  そう『一応』だ この娘はちっとも悪びれてなどいない 顔が笑ったままだ  (全然控えめでも大人しくもないじゃん  地味なのは顔だけじゃん!) 小山の感想や中村の調査報告とは矛盾する彼女   石川紀香。 けれど  地味な顔といっても  さすがは受付嬢の職につけるだけはある  古風だが中々の器量良しではあった  つぶらな瞳  メイクは薄目  自己主張の希薄な顔立ちの中で  唯一目立つのは、ぽってりとした肉感的な唇だ  悔しいが女から見てもかなり魅力的である そして何より抜けるように白い肌  大きく襟元が開いたニットワンピースの胸元は形良く盛り上がり かすかに覗く谷間  …ち………… ちきしょう!!!! いい女じゃねぇかよ。 岸田が薔薇なら  彼女は  そう撫子だ  慎ましくも可憐な花  アタシの敵?はどいつもこいつも 咲き誇る花ばかり  負けるもんか  雑草は踏まれても尚強し  行くぜこっから  アタシのターン。
/1388ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1396人が本棚に入れています
本棚に追加