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美しく澄みきった青い海、雲一つない青い空、俺の視界には現在それ意外の物が見当たらない。
気持ちのいい潮風を肌に感じながら、俺達『六馬大学ミステリー研究会』を乗せたクルーザーは、目的地である九光島を目指している。
「そろそろ着きそうね、相澤君」
そう言って、俺の横でデジカメを構えている彼女は、田中美矢子先輩。
歳は俺の一つ上で、今年で卒業してしまう大学四年生だ。
大学生と言うにも関わらず、髪はおとなしめの黒で、少し長めの後ろ髪は三つ編みにして二つに分けている。
特徴的なのは、少し大きめの丸眼鏡だ。
ビートルズのジョン・レノンが着けていた眼鏡を少し大きくした感じのヤツだ。
一体何処に行けばそんな眼鏡が手に入るのだろうか…
本人曰く、普通の眼鏡の十倍の値段がするとの事なのだが、実際そんな眼鏡にそれほどの価値があるのかなど、一見しただけでは解らない。
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