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ジョーさんは額に大粒の汗を浮かべながら、俺にこう切り出した。
「相澤、気を悪くしないで聞いてくれよ?」
コクリと頷く
「……田中の事は、もう諦めた方がいい、これはお前の為にも…」
──え?
ジョーさんにいきなりそんな事を言われ、かなり俺は動揺した。
「な、なんでそんな事言うんですか?いつもジョーさんだけは俺の応援してくれてたじゃないですか!?」
俺は真面目な顔でジョーさんに詰め寄った。
大学に入学したばかりの時、田中先輩に一目惚れをして、このミステリー研究会に入った。
その時からジョーさんは俺の事を陰から応援し、時には悩みを聞いてくれたりもしてくれた。
その三年間の事を全て帳消しにしてしまうぐらい、先程のセリフには驚愕したのだ。
「お、落ち着け、落ち着いて俺の話を聞け!」
ジョーさんは激しく取り乱していた俺を、優しく宥める。
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