『ギャグの時間は終わり、シリアスな時間が始まる』

10/24
前へ
/112ページ
次へ
 「……とにかくだ、俺は田中のヤバイ過去を知ってしまったんだ、だからお前に…」 ヤバイ過去!? 何を言ってるんだこの人はっ…!  「過去の話なんて関係ありませんっ!大事なのは今じゃないですか、俺は今の田中先輩が好きになったんです、過去の事なんか知りたくも知ろうとも思わない!!」 さらに頭に血がのぼった俺は、立ち上がってそう叫んだ。 「落ち着け落ち着け」と連呼して俺を宥めるジョーさんは、力任せに俺を再びベッドに座らせた。  「恋は盲目とはよく言うが、見ていてお前は疑問に思わなかったか?田中が何故アレほどまでミステリーマニアなのか…」 思っていたさ、その異常とも言っていい程の行動を… だけどたかだか趣味嗜好の話だ、人より何かに熱中するなんてよくある事だ、それを含めて丸ごと彼女を好きになったんだ、俺は!
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

339人が本棚に入れています
本棚に追加