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静かになった部屋で、その訪問者とジョーさんの話声が少し耳に入ってきた。
「──明日は───ね」
微かに聞こえたその声は、女性の声に聞こえた。
女性?
ネネちゃんかな?
田中先輩かな?
その時の俺は、半放心状態とでも言える状態になっていたため、その声が誰のものなのかを深く考える事はしなかった。
「……わかった、……また明日…」
そうジョーさんの声が聞こえる。
どうやら話は終わったみたいだ。
「─あ、──────青海苔───」
最後に女性のその声が聞こえ、暫くしてからジョーさんがこちらに戻ってきた。
「スマン相澤、さっきの話は帰ってからゆっくり話そう、こんな所で話す話ではないようだ」
顔を青くしながらそう言うジョーさんの額には、滝のように冷や汗が流れていた。
ジョーさんの部屋から出る際に、「いいか、部屋の施錠だけはしっかりしておけよ」と念入りに言われた。
生殺しと言う感じにされ、呆然とジョーさんの部屋の前に立っていると、ジョーさんが中から鍵をかける音が聞こえてきた。
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