『ギャグの時間は終わり、シリアスな時間が始まる』

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 「真奈美、真奈美っ!居るならここを開けてくれ!」 ガンガンっ、と力強く羅星と書かれた扉を叩き続けているテクノ。 先程の謎の声が言っていた羅星の部屋には、どうやらテクノの嫁さんが泊まっているらしい。  「山下さん、鍵は開いていないんですか?」 田中先輩がそう言うと、山下はコクりと頷き、ドアノブをガチャガチャと回して見せた。  「そうだ、洋子さん、合鍵か何かは無いんですか?」  「い、いえ、鍵は皆様にお渡しした一本だけで、合鍵もマスターキーも無いんです」 その田中先輩と洋子さんの会話を聞いていたトーマスは、二人の間を割って入り、扉の前で叫んでいる山下の近くまで歩み寄った。  「ブチ破る、手伝エ…」 山下はその問いに、無言で頷く。 軽く助走できるだけの距離をとり、二人は息を合わせて勢いよく扉に向かって走りだし、体当たりをした。 バキィっ! 木の砕けるような音と共に、扉は勢いよく開かれ、二人はその勢いのまま部屋へと転がっていった。
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