『ギャグの時間は終わり、シリアスな時間が始まる』

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田中先輩が扉のドアノブを回すが、昼間同様にその入り口は施錠が施されている。 そこで、先程山下妻の死体が握っていた鍵を使い、部屋の鍵を開けた。 ゆっくりと扉を開け中へと足を進め、入り口付近に設置されている部屋の電気のスイッチを入れた。 灯りが着くと、そこには壁中に赤黒い液体が飛び散っており、先程と同様に、首無し死体がベッドに横たわっていた。 先頭の田中先輩は、ハンカチで鼻を覆いながらその死体に近づく。  「…洋子さん、この人は九曜さんですか?」 その首無し死体は、体つきから言って、明らかに男性の物だった。  「……は、はい、着ている服から察するにおそらく……九曜様かと…」 真っ青な顔で死体を一瞬チラリと見て、直ぐに下を向く洋子さん。 …見るからに気分が悪そうだ。
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