『ギャグの時間は終わり、シリアスな時間が始まる』

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 「皆さん、とにかく一旦ここを出ましょう、あまり現場を踏み荒らすわけにもいきませんし…」 田中先輩の指示に従い、俺達は重くなった足どりで部屋を出て、夕食を食べた部屋へとやって来た。 椅子に腰を下ろし、各々違った表情をしていた。 机をガンガンと叩き、何故か軽く怒っているトーマス、両手を顔に当てて泣き続けている山下、ハンカチを口に当てて気分の優れないといった表情の洋子さん。 ネネちゃんはさっきから震えながら俺の腕にしがみついているし、田中先輩は先程から険しい顔で何かを考えている。 とその時、俺はこの場にいないもう一人の存在に気がついた。  「あれ?そう言えばジョーさんがいませんね…」  「……そう言えばそうね、相澤くん呼んできてくれない?」 田中先輩にそう言われ、腕にしがみついているネネちゃんを剥がし、俺は席を立った。 あれだけ汗を流して筋トレをしていたんだ、もしかしたらグッスリ眠っているのかも…
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