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「た、田中先輩っ!!」
俺は部屋を飛び出していった田中先輩の後を追った。
すると田中先輩は玄関付近の廊下に立っており、俺に背を向けた状態でこう言った。
「……いいわ、おもしろいじゃないの、だったら私が真相を全て暴いてやるわ…」
「た、田中…先輩……?」
後ろからちらりと見えた田中先輩の口元は確かに笑って見えた。
名探偵田中美矢子の誕生か?
「相澤くん、私に協力しなさい!」
襟元をグイッと握って引き寄せられ、デコとデコがぶつかりそうな距離でそう言われた。
その妙な迫力を前にして、俺は「はい」としか言えなかった。
わたくし『ノー』と言えない日本人代表、相澤弥彦でございます。
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