339人が本棚に入れています
本棚に追加
「ではさっそく現場検証を始めるわ、着いてきなさい!」
そう言って田中先輩と俺は一階の羅星の部屋へと向かった。
「いいんですか勝手にこんな事して、警察がくるまであまり現場のものには触らないほうが…」
「いいのよ、指紋さえつけなければ何やったって!」
…いや、いいわけがない。
それにしてもやはり、死体と言うのは何度見ても気分がいいものではないな…
とりあえずベッドに横たわっているほとけに手を合わせておく。
化けてでませんように、化けてでませんように……
「ところで相澤くん、密室の動機と利点については、当然知ってるわよね?」
ミステリー研究会に所属しているなら知っているわよね、知っていて当然よね?的な感じでそう聞いてくる田中先輩。
勿論……俺が知るわけないじゃないですか。
はぁー、とウンザリしたため息を一つ漏らし、俺にこう説明してくれた。
まずその1『自殺の偽装』
密室状態において死体が発見された場合、通常では自殺、または事故死と断定されるからだ。
密室内には他者は入れない=他殺ではないという事になるからである。
最初のコメントを投稿しよう!