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その2『時間稼ぎ』
部屋が密室であれば、死体を発見するまで、若干の時間を稼ぐ事ができる。
これを応用すれば、その間に様々な仕掛けやアリバイトリックなどの偽装が出来る。
その3『自己顕示欲』
これは利点ではなく動機にあたる。
警察や探偵などへの犯人からの挑戦、または挑発。
自分の作り上げた最高傑作といえるトリックを彼らに挑ませ、陰からそれを見て楽しむ。
と、以上の事を田中先輩が教えてくれた。
「なるほど、密室にはそういう意味があったんですね」
なかなかどうして、奥が深いじゃないの密室ちゃん。
「…でもね、密室殺人というのは推理小説界では現在、全てのトリックが出尽くしていると言われているの…」
「なるほど、つまり推理小説オタクの田中先輩にかかれば、この手の密室は密室でも何でもないというわけですね?」
「オタクは余計だよ、ワト澤くん」
ワト澤?
それってまさかあの有名探偵の助手とかけてません?
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