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「それで田中先輩、この密室のトリックはわかりましたか?」
田中先輩は顎に指をあて、うーんといいながら少し考え
「…針や糸、ワイヤーの類いを使ったトリックでは無いという事はわかったわ」
そう言いながら入り口付近に歩みより、「見て」と言って扉を指差す。
「糸やワイヤーの類いを使って外側から扉の施錠をしようと思うと、その支点となる所に相当な力が加わるの、だけど三つの部屋に入った時に少し確認していたんだけど、その痕跡は全く見当たらなかったわ」
確かに扉は木製だ、糸や何かによって強い力が加われば、多少その跡は残るはず。
だが、扉にはそういった類いの跡は何処にも見あたらかった。
「それに、糸やワイヤーを通す事自体、最初から不可能なのよ…、この館の客室の扉は全部、閉じれば一ミリの隙間も無くなるよう造られているの、つまりこの考えは頭から切り離してもオッケーって事になるわね」
なるほど、良かったぁ難しいトリックじゃなくて…
俺そういう系は、詳しく説明されてもちんぷんかんぷんだし。
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