『相澤はとても大事な事を忘れている』

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続いて俺たち二人は、隣の計都星の部屋にやってきた。 さっきの部屋との大きな違いは、壁中に付着している大量の血痕だ。  「ワト澤くんこの部屋を見て何か気づく事はない?」 どうでもいいが、俺の呼称ワト澤になったんだ…  「ええっと、おそらく九曜孝彦の殺害はこの部屋の中で行われた……ですか?」  「正解、でももうちょっと詳しく言うと、この部屋を見れば山下真奈美さんが自室で殺害されていないという事が解るという事ね」 うん、知ってたけど、それを言うと否定されそうだったから止めといたんですよ。  「まぁそれを言ってても否定してたけどね?」 知ってます、あなたの心は全てお見通しです。 部屋に飛び散った血痕を犯人が拭き取った可能性がある以上、警察の詳しい調査がないこの段階では、それは決めつけられない。 …そう言いたいわけですね?  「ここでもう一個問題、九曜さんは一体いつ殺されたか?」 いつ?そんなのこの部屋を見ただけじゃわかりませんよ、それが解るのは本物の超能力者だけです!
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