序章

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紺色の学ランなんて珍しいから、どこの学校かなとか。 奥名市とその周りには学校がいっぱいあるから、奥名市から別の市の学校に通ってるのかなとか。 もしかしたら、地区大会とかで会ったことあるのかもとか。 いろいろ考えた。 2週間後の練習のときに聞こうと思っていた。 しかし、その後、市民吹奏楽団で瞬くんと会うことはなかった。 いっぱい聞きたいことがあったし、吹奏楽団で唯一の同い年だったから、少し寂しく感じた。 (受験生だし、仕方ないのかな) 私も受験生だけど、私は他の自分の時間を削り、数少ない吹奏楽団の練習は削らないと決めていた。 でも、なぜか瞬くんの名前は忘れなかった。 そして、半年の時を経て、私たちはまた出会うこととなる。 ただ……彼は変わってしまっていた。
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