第3話 山崎さんの魔道書

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 池口って男は、元から蛙のような顔つきだって気味悪がられていたけど、まさか本当だとは!! 「私は深きもの(ディープワン)の血を引いているんだ。そんな深きものの血が混じると年齢を重ねていくに連れてそいつらと同じ……、いや、深きものという奴らと同じ存在になるんだ。さて、深きものの血は私の肉体に〝永遠〟をもたらしたようだ。これでも4000年近くは生きている」 「4000年も生きているだって!? し、信じがたいなぁ……」  4000年近くも生きているだって!?  う~ん、それが本当なら凄いことだ!!  でも、あんな醜い姿のまま悠久の年月を生きてきたなんて……。 「う~ん、この間の交通事故のおかげで余計に深きもの化が進行してしまったらしい。美顔の魔術の長いこと変化を抑えてきたんだがなぁ……。ふとしたことで効果が切れてしまったものだ」  美顔の魔術って、おいおい……。  そんなよく分からない魔術とやらで深きもの化を防いでいたのか?  その前に深きものってどんな存在なんだ?  う~ん、私が知りえない物事ばかりだ……。
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