551人が本棚に入れています
本棚に追加
/926ページ
悪鬼胎動(1)
ミイラ化遺体が、もう一体増えてしまった。
そのうちの一体――光桜学園の音楽教師、高瀬裕子の名を名乗る人外、旧支配者と呼ばれる名状しがたき邪神を奉じる悪しき巫女アフメティスは行方知れず……。
さらに司法解剖のために保管されてあった遺体安置所の壁に大きな穴が……。
そしてもう一体のミイラは、私――山崎早苗の先輩刑事である秋月誠二の物言わぬ亡骸である。
「俺は見たんだ! 秋月先輩が蘇ったミイラに!!」
「やっぱりミイラは復活したんだ……」
「ふん、だが、俺は信じないぜ! 俺は夢や幻を見たんだ! きっとそうに違いない!」
例え目の前で不可解な事件が起きようとも、それは夢や幻だと高村が言い張る。
だが、単に強がっているだけだ。
顔面が真っ青でガタガタ震えている。
最初のコメントを投稿しよう!