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「奈緒はあそこ好きだなー」
「だって、故郷！ って感じがするんだもん」
そう言って、どちらからともなく手を繋いで、そしてまたどちらからともなく、あそこへと走り出す僕たち。
息があがりだした頃、ようやく目的地に辿り着く。僕たちは足を止め、眼前に広がる大きな、大きな水溜りに視線をやる。
行き着いた場所はとある砂浜。ここから見える海は夕日に照らされ、まるで燃えているかのように橙色に染まっていた。単純に綺麗、という言葉しか見当たらない。多分、それ以外の言葉は必要ないのだろう。
僕たちは波打ち際に佇み、思い思いに海を見つめる。
「海ってさ、どこまでも繋がっているんだよね？」
唐突な質問だな、と思いながらも、僕は答える。
「うん、果てしなくどこまでも続いていると思うよ」
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