押し込められた思い出

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皆さん、子供の頃に遊んだお人形さんは今どちらに…? 僕のお人形は、今頃は荼毘にふされ、天国に居る事と思います。 このお話は、今は無き僕らのお人形のお話です。 僕らと言うのは、僕と一つ下の妹の事です。 僕らは、年子で同性と言うこともあり、いつも、何処へ行くんでも二人一緒。 遊びも、お互いの人形を使い盛大に行われるんです。 けれど、大きくなればなるほど人形遊びから卒業して行き、見向きもしなくなり、見兼ねた母が僕らの眠る部屋の押し入れにその人形達をしまったんです。 始めの何年かは、何事もなく過ぎて行きました。 ところがあるひ、僕は何かに呼ばれたような気がして 押し入れを開けたんです。 そこには、昔良く遊んだ人形達が箱に入り、こちらを向いて居ました。 何かに誘われるかの如く、僕はその中の一つの人形を手にとり、その人形の髪をとき始めたんです。 いわゆる西洋ドールなその人形は、パッチリとした目で可愛いらしく僕を見ていました。 ところが…!?人形は塩化ビニール製。デスクライトの熱で髪が溶けて一部ハゲが出来てしまったんです。 ラッキーな事に、人形には帽子が付いていたので、ハゲは何とか隠せたものの、それからは罪悪感からか異様にその人形が怖くなり、僕は人形をもとの押し入れに戻しました。 そこの貴方ヽ(`Д´)ノ=3今笑ったでしょ~(-_-) でも、本当の恐怖はこれからなんですよ…。 それから毎晩のように押し入れが鳴るんです。 ガタガタ…ガタガタ…と…。 僕らが寝ていた部屋の押し入れは、戸が厚く、重く、大人でも開閉が困難なほど。その押し入れの戸をガタガタと鳴らすんです。 そんな事が続いたある日、僕は夢を見ました。 その重い戸が少し…ほんの少し開くんです。 そしてその隙間から…そう…あの人形が覗いて居るんです…。 あの大きくパッチリした目で…無表情で…頬の膨らみが月明かりにポウッと浮かんでみえ、くぼんだ目が、暗く影を落としているにも関わらず、ハッキリ目が見えるんです。 もう恐怖以外の何物でもない!! 何するわけでも無く、ただ、その暗い隙間からじぃ~っと僕を見ているんです。
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