誕生

6/8
前へ
/104ページ
次へ
その晩以蔵は微かな物音に気付き木刀を握った。 「また山賊か?」 まだ山賊なら良かった…しかし。 「居たぞ!七以だ!捕まえろ!!」 以蔵の予想とは裏腹に物音の正体は七軒町の町人達だった。松明が四本ゆらゆらとこちらに近づいてくる。 山賊なら追い返せば済むのが、町人はそうはいかないいくら嫌われていても、傷付けてしまえば、以蔵の居場所が無くなってしまうからだ。 以蔵はそのまま何の抵抗もせず捕まり、七軒町へと連れていかれた。
/104ページ

最初のコメントを投稿しよう!

38人が本棚に入れています
本棚に追加